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和歌山県議会 平成23年3月定例会 一般質問

質問・提案内容

序 章

今期、最後の議会質問となりますので、心をこめて、質問、ならびに提言をさせていただきたいと思います。

まず、質問に入る前に、今期限りでご勇退を決意された先輩議員には、本当にご苦労さまでした。当会派の松本代表のお話をお聞きしていても、いかに辞める決断が難しく、勇気のいるものかを学ばせて頂いております。これまでのご努力に敬意を表し、今後は、立場を変えても、これまでの経験を生かし、県勢の発展にお力添え賜れればと思います。

また、あわせて、高病原性鳥インフルエンザへの対応では、県職員の皆さんが手分けをし、朝早くから夜遅くまで走り回られ、県民の安心、安全を守るため、まさに体をはってご苦労いただいたことについても、心から敬意を表し、感謝申し上げます。

さて今、わが国、日本、また私たちの愛する和歌山においても、先の鳥インフルエンザなどもそうですが、これまでに経験の無い数多くの課題に直面する現実があります。 少子・高齢化と人口減少、グローバル化の進展とあわせて新興国の台頭、地球温暖化などに代表される地球規模の課題の噴出など、危機的な環境変化が次々と起こってくるのが今の時代であり、社会的にも、先行きの見えない不安が蔓延する状況にあります。

そんな今、まさにこのような時代には、リーダーシップが問われるものとなり、国を統治する中央政府のみならず、地方政府においても、その責任は重く、和歌山県でも、知事のリーダーシップが問われるものとなります。そんな中、この厳しい難局に対処する、リーダーシップのあり方について、過去の偉人は、一つの知恵、優れたアドバイスを残してくれています。

リーダーとは、かくあるものとして、和歌山が生んだ世界の経営者である故松下幸之助氏は、衆知の政治、を説いています。

「指導者たるものは、つねに衆知によって、ことを行うことを心がけなくてはいけない」「つねに衆知によって、事を行うことを心がける」とリーダーの心得を何度も説いていた、ということです。

リーダーシップは、決して独断専行ではない。幅広く意見を聞き、助力を求め、その上で最後に、指導者として強いリーダーシップを発揮して決断を下し、果敢に行動して行く。

今の厳しい時代にこそ、知事のリーダーシップも問われます。多くの県民が、心から希望ある未来を切望する中では、その期待にこたえるためにも、最善の努力を期待しつつ、私自身も、いくつかの視点で和歌山の危機を救う事になればと願い、質問ならびに提言をさせていただきたいと思いますので、当局には、誠意あるご答弁をお願いします。

人口が100万人を割り込んだ和歌山の危機について

今、私たちのこの日本の現状について、特に人口にかかる問題については、様々な調査機関、シンクタンクなどから警鐘が鳴らされる状況にあります。

昨年12月、国土交通省は、2050年時点の「人口分布推計」を、国土審議会の長期展望委員会に示していますが、その推計によると、2050年には、今、人が住んでいる地点の66.4%、何と6割を超える地域で人口が半分以下に激減するということで、日本の特に地方においては、そのほとんどが人口半減の、しかも超高齢化地域となってしまう、ということです。さらに、その2割を超える地域では、町・村そのものが無くなり無人化する、という大変な未来が示されています。

そもそも少子化に起因する絶対人口の減少、そして都市への人口集中が今後、加速度をつけて進んで行く事が予測されていて、これがまさに今の日本の現実です。

また今、民間からも、注目される発表が相次いでいます。

今の日本のデフレ状況を人口問題の視点から鋭く分析されているのは、以前、この本会議場でもご紹介した、日本政策投資銀行の藻谷浩介さんです。

藻谷氏は、日本政策投資銀行に席を置き、私の高校時代の友人と同様の役職で仕事をされています。その関係で私自身ご縁をいただき、5,6年前からお話を伺う機会を持っている訳ですが、一昨年には、和歌山にお招きし、若い経営者の皆さんを前に講演も行って頂きました。

藻谷氏は、特に地域振興の分野を長く担当され、全国各地をくまなく歩いてきたその経験を生かし、昨年、その知見を統計数値で分析し解説した著書を出版され、それがベストセラーになっています。藻谷氏の指摘は今、各方面から注目を集め、今年の正月には、NHKで放送された特別番組でも取り上げられ、それは、これからの日本、和歌山にとっても重要な示唆を与えてくれるものとなっています。

今回出された本のタイトルは「デフレの正体」というものですが、その内容は、今の日本の問題の根本要因は、人口問題であり、人口構造の変化を読み解くところから日本経済が直面する課題を明らかにしています。

藻谷氏が指摘するポイントとしては、日本の問題は、1995年以降に始まった15~64歳の生産年齢人口の減少が何より重要な指標であり、これは裏返しとして、消費年齢人口の減少を意味している。これらの現象は、これまで経済論理で様々に解説されてきた、景気循環、景気の波、といったものを打ち消すほどの大きな影響を与えるもので、それぞれの地域によっては、致命傷となりかねない「内需縮小」が進行している、と指摘されています。今、「景気の波」を打ち消すほどの大きな「人口の波」が、日本経済を洗っていて、日本の再生、中でも特に地方の再生においても、人口問題を正面から捉える事の意義、その重要性を改めて指摘するものとなっています。

また、イギリスの経済雑誌『エコノミスト』でも、昨年11月20日号で、大々的に日本特集が組まれました。最近、特に海外において、日本の問題がことさら取り上げられる状況は少なく、まさにジャパンパッシングの状況ですが、有名経済誌で久しぶりに大々的に取り上げられたその内容は、メインタイトルとして、「The Japan Syndrome・日本症候群」で、サブタイトルには、「日本がこれから世界に与えられる最大の教訓は、人口減少と高齢化が経済成長力を吸い取る現実」というものです。

少子高齢化の問題は、あくまで日本だけの問題でなく、先進国の多くは同じ問題を抱えていて、日本の現状を精緻に分析する事によって「日本の教訓」を得て、新たな政策論議を始めないといけない、と警鐘を鳴らすものとなっています。その特集の中で、「日本人が理解していないのは、経済の病状が「歪んだ人口動態」と複雑に絡み合っていることで、この人口問題に取り組まない限り、日本の衰退はどうしようもない。」としています。

その後の日本の分析も非常に興味深いのですが、ここでは、和歌山県にかかわる問題として話が膨らみすぎるので、これ以上の部分は割愛しますが、とにかく、 今の状況において、人口問題は、優先してフォーカスすべき重要な政策課題であり、個々の政策の枝葉末節を論じる事よりも、まずその根本原因に焦点をあて、そこから政策全体を見渡していく視点が重要であり、それは特に地方政府においても重要な指摘となります。そんな中、私自身、和歌山県でも、この人口問題について正面から受け止めて、真剣な議論をはじめるべきだと強く感じています。

和歌山においても、人口減少と高齢化が様々な地域の衰退の重要な要素となっていて、そのことを改めてクローズアップするところから、大所高所から政策全体を見渡して、それこそ選択と集中で、政策の優先順位も、更に明確にしていくための真剣な検討を進める。人口問題、といった切り口から、それを克服するためには、どういった未来像を描くべきか、未来の和歌山像をあらためて描きなおし、そのあるべき姿を明確にすることによって、今後和歌山県が進むべき新たな道筋も見えてくるのだと思います。

大切なのは、あくまで従来型のボトムアップの総花的政策対応だけでなく、和歌山における人口問題の本質を見極める努力から、トップダウン的な政策体系全体の見直しを行っていくことも重要な取り組みだと考えます。

そこで、この人口問題について、いくつかの質問ならびに私なりの視点での提言を行わせていただきます。まず、人口減少問題への対応として、和歌山県として、人口が減っている現実について、何が問題であったと認識されているか。本県が行ってきた過去の取り組みおいて、どこに問題があったと考えているか。またその人口減少により及ぼす影響について、知事のご所見を賜りたいと思います。

また、今後、人口の減少を食い止め、更には、人口を増加させる為に、和歌山の地域の実態と照らし合わせて、新たな地域の在り方、そのビジョンといったものをどのように考えておられるのか。

知事は、前の12月定例議会で、人口の社会動態での減少を食い止め、更には人口の自然動態も増加にもっていく、とお答えになられていますが、しかしそこでは、実効性ある対策を構築するには現状の総花的取り組みをそれぞれに強化する、といった事だけでは、これまでの和歌山がそうであったように、実現は難しいと考えます。和歌山の現実を見て、さらに、特別などのような手立てを打って、地域の未来を、今予測されているものから変えて行こうとされるのか。

そもそも和歌山県は、北に大阪という大都市圏を抱えて、南北に長い県土を有する特徴を持っています。その特性からの地域対応では、南北におけるそれぞれの地域の対策も大きく違ってきて当然であり、そういったエリアごとに仕分けされた政策の中で、思い切った選択と集中をはかり、さらに取り組む事業の優先順位も、もっと明確にして行く必要があると考えますが、知事のお考えをお聞かせ願いたいと思います。

また、そもそも人口減少、人口構成などをめぐる人口問題の課題は、それぞれの地方地域の人口動態によって必要な処方箋は大きく異なっていて、手本とすべきモデルも無く、和歌山独自の解決策を考案して行くことが求められます。そういった中では、まず、これまでの取り組みは一旦横において、政策形成過程の最上位にあたるところに人口問題をしっかりと据えて、真っ白のキャンパスにゼロから純粋に考える対策本部の立ち上げが有効だと考えます。

人口減少にかかる問題は、古くて新しい問題であり、和歌山県でも、平成18年には、「和歌山県人口対策推進本部」が設置され本格的な議論が始められようとしていました。個人的にも当時の組織長にあたる原副知事とは、様々に議論した事を記憶していますが、それは残念ながら1年もたたずにとん挫する事となったのですが、是非、もう一度、前回のような推進本部、戦略本部といったものを立ち上げて、まったく白紙のもとに議論を深めることが、今の和歌山には必要だと考えます。

何事にも優先されるべき人口問題をクローズアップして、まさに「衆知」によって、大胆に解決策を見出すためにも、(仮称)人口問題対策戦略本部、といったものを立ち上げることを提案しますが、知事のご所見を賜りたいと思います。

高齢者などの「買い物弱者」対策と商店街振興 NPO・雇用促進にかかる提言について

「買い物弱者」の問題を調査してくる中で、その解決策は、単なる福祉政策ではなく、商店街振興から地域経済への貢献ともなり、さらには、NPOの振興から雇用問題にまで、幅広く地域としてメリットを享受できる取り組みになる可能性があると期待して、提言させて頂きたいと思います。

まず、私たちのこの日本の高齢者の実態として、現在の高齢者の人口の推移を見ると、日本全体で65歳以上の高齢者は過去最高となり、さらに80歳以上人口が800万人を超える状況となっていて、大変な高齢化社会が到来していることを改めて認識させられます。

65歳以上の高齢者人口は、昨年の推計値で、2944万人、約3000万人となっており、総人口に占める割合は23.1%まで高まっています。年齢階級別にみると、70歳以上人口は2121万人、総人口の16.7%、75歳以上人口は1422万人で総人口の11.2%、80歳以上人口は826万人で6.5%となっています。これらのデータは総務省統計局から出されているものですが、そこでは、2000年以降は総人口がほぼ横ばいなのに対して、高齢者の割合が増加の一途をたどっている現実があり、65歳以上人口の総人口に占める割合だけを見ても、急速に高齢化が進んでいることが明らかです。

そもそも高齢者が増えても総人口も増えれば、全体的な高齢化は避けられますが、若年層の減少、つまり少子化も同時に起きているので、高齢化というより高齢者の比率の増大化が急激に加速するものとなっています。そんな中、経済産業省は昨年末、高齢者への取り組みの一環として、近くの商店街の相次ぐ閉店などで食料品など日常の買い物が難しくなった主に高齢者の「買い物難民」を支援するとして、新しい制度を導入する事を発表しています。

この「買い物難民」、言葉自体はどうかと思いますが、いわゆる「買い物弱者」への対策については、これからの時代に、更に深刻な状況となる事が予測され、経産省の試算では、買い物に困る高齢者は現在、全国で600万人を超えると推計されていて、買い物弱者を支える取り組みは、日本社会全体の喫緊の課題、テーマであり、それぞれの地域において、積極的な取り組みが求められます。特にわれわれの和歌山では、全国、各地域に先駆けて高齢化が先進的に進んでいる中では、その対策をしっかりと打ち出せば、他の地域のモデルとなる取り組みになると期待されます。

そこでまず、一つ目の質問として、この高齢化社会における「買い物弱者」の問題について、和歌山県としてどのように認識しているか。和歌山県における「買い物弱者」の現状と、今後の見通しについて、福祉保健部長より、ご答弁いただきたいと思います。

さてそういった高齢化、買い物弱者への対応として、今、大手資本のスーパーや、全国展開するコンビニエンスストアチェーンが、ビジネスチャンスとして捉え、高齢者、買い物弱者向けのサービスをこぞって模索する状況があります。

先日、東京都内で会見したセブン&アイグループのセブン-イレブン・ジャパン社長の井阪隆一氏は「買い物弱者と言われる600万人以上の潜在的な市場規模は大きい」と話し、コンビニエンスストアが提供している「近くて便利」という価値を改めて問い直し、「新たな時代のコンビニエンスストアとして、高齢者、買い物弱者の市場にもしっかりと取り組みたい」と、強い意欲を示しています。

このセブンイレブンの取り組みでは、タッチパネルを指で操作して宅配サービスの注文ができるタブレット型端末を利用し、セブン-イレブン・ジャパンをはじめNTT東日本、都市再生機構などが協力、この2月4日から試験的にシステムを運用させ、6カ月間の試行の後、問題がなければ全国展開したい、としています。

こういった例は、他にも数多くあり、しかしそれらのほとんどは、大手資本のスーパーや、全国チェーンをもったコンビニなどの取り組みで、それは、「買い物弱者」を福祉の視点だけで見ると大変結構なことだと言えますが、しかし、地域経済、地域の商業振興といった視点では、少なからず問題を抱えるものとなります。地域の商店街振興、また、地域の消費をこれ以上県外に流出させない、といった立場からは、あらためて、和歌山の消費市場をどうやって守っていくか、といった視点でも、慎重に対応すべき重要な問題だと考えます。

商店街振興といった点では、単なる商業活動だけに限らず、地域の人のつながり、地域文化を守っていく為にも、商店街を簡単に無くしてしまう訳にはいかず、県としてもこれまで、真剣な取り組みを進めてきています。しかし実際には、公共交通機関の整備が立ち後れた特に和歌山のような地方では、若者中心にどんどん郊外の大型店に客が逃げて行く状況があり、あわせてインターネットの普及により、楽天、アマゾンなどのネット通販を利用して多くの県内消費が県外に流出し続ける状況があります。そこでは、これまでの努力では限界があり、アーケードを作り、カラー舗装を施すなどのハード整備に頼る発想から脱却して、新たな方策を検討すべき段階にきています。

そこで改めて質問ですが、現在の商店街の衰退にかかる分析として、その問題点をどのように捉え、今後の取り組みについて、どう考えておられるか。商工観光労働部長にご答弁頂きたいと思います。

さてそこで、高齢者の「買い物弱者」対策とあわせて商店街振興を図る私なりの提言として、現在の商店街の衰退にあたっては、これまで消費者の身近にあった商店のあり方を、もう一度見つめなおして、今の時代なりに再構築していく事が重要となります。

地域における商店街を取り巻く環境変化に対応するためには、今の時代にあった、消費者ニーズを汲み取り、魅力的なソフトを開発し、新たなネットワークの構築などが必要で、それができないと、単に大手資本の大型小売店、ネットを含めた、県外資本の企業に客を取られ、県外への消費の流出、お金の流出は止まらない状況となります。そこでは今、「買い物弱者」といった新たな課題への対策を契機として、これを地元商店街の活性化に繋げる方策を改めて考える知恵が求められるのだと思います。

お手元の資料の図をごらんください。1ページ目は、今、単純に買い物弱者による、IT技術、ネットなどを利用した商品の購入例ですが、これでは、経済活動として、域内利益は損なわれる可能性が大きくなります。そこで次のページですが、このように、今こそ知恵を絞り、「買い物弱者」への対応として、地域内、特に身近な商店との連携を図れる新たなネットワークを構築して、更に地域で配送業務を新たに担えるNPOなどで雇用も生み出せるような取り組みを、県がコーディネーターとして構築できないかと考えます。

こういった連携を地域で構築することができれば、地域内消費を守り、商店街を守り、買い物弱者を救済し、更に雇用の創出さえも可能性が出てきます。そこで、このような買い物弱者の救済を契機とした新たな仕組みの導入、その有効性について商工観光労働部長のお考えをお聞かせ頂きたいと思います。

こういった取り組みは、あくまで民間部門だけで立ち上げて行く事が理想ですが、しかし、現実にその立ち上げを検討して行くと、様々な課題も見えてきます。具体的に、まずコスト面で、大手資本が入らない状況では、特に初期の段階においては、システム構築のコストに販売収益が追いつかない。また、商店側としても、こういったシステムの運営能力には厳しい面があり、あわせてサービスの受け手となる高齢者の皆さんの対応能力としても、それなりの手助けが必要となるなど、現実問題として商店の皆さんに任せているだけでは実現は難しく、よって、特にその立ち上げの部分では、県のコーディネートが欠かせないものとなります。

県がかかわる意義としても、「買い物弱者」の問題を、ミクロの視点だけでなく、地域全体を見て、域内消費を守り、商業の活性化にも貢献するといった大局的な観点で見ると、県が積極的にかかわる意味も大きいと考えます。是非、コーディネーター役として率先して取り組みを進めてもらいたいと思いますが、あわせて商工観光労働部長のお考えをお聞かせ頂きたいと思います。

「パワースポット」ブームと熊野健康村構想の更なる推進にかかる提言

現在、様々な視点で「健康」への関心が高まる中、今また新たなトレンドとして、若い女性を中心に「パワースポットブーム」といわれる現象があります。このパワースポットについては、マスのメディアでも、数多く取り上げられる状況にありますが、そもそも「パワースポット」という表現自体は、和製英語であり、日本発の表現ですが、しかし実際に英語圏でも用いられるようにもなっていて、クールジャパンの一連の輸出品、その一つとも言えるものになっています。

ウィキペディアによると、『世界のパワースポット: 癒しと自分回復の旅ガイド』では、パワースポットには人を癒すとされる水があったり、人に語りかけるとされる岩があったり、あるいは磁力を発する断層があったりすると説明されていて、荒俣宏氏の解説では、「パワースポットは大地の力(気)がみなぎる場所と考えればよい」として、そもそもパワースポットという言葉こそは新しいが、昔から大地の力を得ようとする試みはあった、と指摘されています。特に、日本で、古い事例として和歌山の「熊野三山 詣で」があったと、和歌山の事例が紹介されています。

荒俣氏によると、本来なら厳しい修験を行って、はじめて得られる力を、その場所に詣でるだけで身分性別を問わずパワーを得られる、という画期的なものであったとし、ただし何の宣伝もなしに人を集められるわけではなかったので「言い伝え」が用いられ、熊野と同様に、伊勢神宮にお参りする「お伊勢参り」でも「修験者しか得られないパワーを性別身分を問わず得られる」と宣伝し、全国に広まったという事です。

そんな今、パワースポットが若い女性を中心に注目を集める中、その元祖とも言える和歌山で、そういった現象を利用しない手はないと考える、そんなタイミングで、たまたま良いお話を頂きました。私の恩師でもり、元サイバーリンクス株式会社の取締役でもあった故小坂光生さんの御子息で、小坂亮輔さんという私が信頼する友人がいます。その奥様である小坂都さんが今、東京で、マスコミ関係のお仕事を幅広くされていて、そこでたまたま、国内のみならず海外のパワースポットも含めて紹介するプロジェクトが進んでいて、そこに和歌山を組み込む、といったご提案を頂きました。世界的芸術家として名高いカメラマンの本間日呂志さん、そして、若い女性に大人気のカリスマ風水師「MIREY」さんが共同してパワースポット写真集などを製作する中で、何とか和歌山を組み込んでもらう、といった話が、小坂都さんの働きかけにより、トントン拍子に進み、昨年末、和歌山での取材を無事済ませる事ができました。

これがその成果品なのですが、このようなすばらしい写真集とあわせて、超開運・パワスポ旅手帳といった新刊が刊行され、和歌山も大きく掲載されるものとなっています。写真を撮っていただいた本間さんは、コマーシャルワークとしてハリウッドの人気俳優ジャン・レノ、キアヌ・リーブスなど多数の著名人の撮影やGUCCI、NIKE等ファッションCMの世界でも輝かしい実績をお持ちの方で、また風水のMIREYさんは、コマーシャルソングの制作や、NHKの声優としても活躍されるほか、2007年には伝統的な中国の風水学と最先端の建築医学をベースに、スタイリッシュで実用的なアイテムによる環境医療の一環としての「ガーリー風水」を提唱され、OLなどから圧倒的な支持を得ている方です。

そんなお二人がそろって実際に和歌山に足を運び、各地を回り、多くの作品を残してくれました。和歌山を回ってみた感想として、和歌山の地域のポテンシャルはすばらしく、この21世紀には、和歌山はもっと見直されるはず、とベタ褒めだったようです。またもう一つ、取材を終わった後に、小坂都さんからのお話で、私自身、非常にうれしかった事として、東京に戻ってから二人の先生が口を揃えて、和歌山県の対応が素晴らしかった。観光振興課の県職員の皆さんのホスピタリティには感動した、和歌山は人も財産だ、と感心しきりだった、ということです。他の行政機関から頼まれて仕事をする事も少なくないが、お金とか、豪華なもてなし、といった事で無く、和歌山県は、人として職員の皆さんの受け入れ対応の素晴らしさは飛びぬけていて、心から感動した。

いっぺんで和歌山ファンになり、今度はもっと時間を取って、プライベートで和歌山を訪れ作品を創ってみたい、と話されていたということでした。余談ではありますが、こういった積み重ねが、和歌山の魅力発信に大きく役立つと改めて感じた次第です。さてそういった中で、今後は、和歌山の恵まれた自然と、奥深い文化に触れてもらう事で、更なる和歌山ファンを増やしていかなくてはならないところですが、そこでは、これまで取り組んできている、「熊野健康村構想」についても、今のパワースポットブームにも便乗して、更なる発展が期待されます。

そもそも、「熊野健康村構想」は、今のパワースポットブームの先駆けでもあり、和歌山の持つ地域資源である自然環境と、現代人に欠かせない「癒し」健康意識をつなぎ合わせ、産業として振興しようとする取り組みであり、私自身、この県議会で「ヘルスツーリズム」「観光医療産業」の振興として、何度も取り上げさせていただいて、それは従来の観光商品に高い付加価値をつけ商品化していく取り組みとして、これからの時代にこそ、大きな価値を生むモノと確信しているところです。一昨年には、総務省の「地域づくり総務大臣表彰」で「熊野で健康ラボ」が活動している田辺市が地方自治体表彰を受賞して、そこでは、「熊野で健康ラボにおけるヘルスツーリズムへの取組」も、地域資源を活かした観光地づくりとして高く評価されたということです。

そういった中で、何点かお尋ねしますが、

まず「熊野健康村構想」のこれまでの取り組み状況と、その成果をどのように評価しているか、商工観光労働部長からご答弁を頂きたいと思います。また今後、将来展望として、この熊野健康村構想を発展させた上で、地域資源である自然環境と、現代人に欠かせない「癒し」健康意識をうまく取り込み、産業として振興しようとする取り組み、「観光医療産業」の振興は、これからの時代にこそ重要なものだと考えますが、こういった取り組みを熊野の成功モデルを参考として、あらためて、和歌山県全域に広げていく事について、どういった展望を持たれているか。今、心身に力を取り戻す、パワースポットブームなどもその一例ですが、この時代だからこそ、和歌山の持っている文化、自然といったものは、大きく価値を増すものです。今後の更なる推進にかかる戦略、また特に強化して取り組むべき点など、どういった検討がされているか、あわせて、私はこれまでも、観光医療産業の振興といったことで、この「熊野健康村構想」の推進とあわせて、モデル事業が一定の成果を収める中で、観光と、予防医療、ヘルスサービスを組み合わせた取り組みを、県内各地で、助成金などの制度を創り、どんどん広げて行くべきだ、といった事を提言させて頂いてきました。今、「熊野健康村構想」、「観光医療」の取り組は、パワースポットブームなどもうまく利用して、今こそそれを広げていくべき絶好のタイミングと考えますが、今後の県の取り組みについて、お考えをお聞かせ頂きたいと思います。

また、熊野健康村構想、観光医療の振興において、これまでの取り組みを更に発展させるために、有名スポーツ選手の取り込み、といったこともご検討いただければと思います。昨年からjリーグチームの和歌山誘致ということで、ヴィッセル神戸、ヴァンフォーレ甲府について、和歌山キャンプを実現してきていますが、この1月にも再度ヴァンフォーレ甲府には和歌山キャンプを実施していただきました。

その時に、ヴァンフォーレのオーナーである海野さん、またGMの佐久間さんとお話をする中で、和歌山の誇るべき文化でもある「よみがえり信仰」に、大いに興味を持っていただき、今後は、スポーツの切り口でも、それは大いに活用できるという感触を得ました。一流のスポーツ選手は、オフのタイミングで、体をレストアしますが、その場所として和歌山を選んでもらう。基本的な施設としては、和歌山には医大もあり、関係の施設もありますが、しかし、単にハード面の競争では、全国どこもが競合するわけで、そんな中、和歌山には、熊野信仰、よみがえり信仰という「癒し文化」があり、この付加価値は、私たちが思っている以上に活用価値の高いものです。ヨーロッパなどでは一流スポーツ選手が体をケアするのに、こぞって南フランスを訪れるように、今後は、日本、アジアの一流選手が体をメンテナンスする場所として和歌山をブランド化していく。そういった構想も、決して夢物語でないと考えます。

また特に、これから私たちの和歌山では、国体に向けて各種競技施設が整備されていく状況もあり、国体後の施設活用についても力を入れる事が必要となります。そこでは、単にスポーツ施設があります、といったPRでは、他の地域と変わらないわけで、和歌山独自に、「蘇りの地・わかやま」推進計画などとして、和歌山の空気を吸って、スポーツ選手の体力回復・増強、競技能力の向上、パワースポットで心の底からの英気を養い、集中力を高め、トレーニング効果を上げる、といった具体的な商品作りも有効だと考えます。

今、観光振興の取り組みに、スポーツの切り口もしっかりと組み込んで行く視点は重要で、特に今、ヴァンフォーレ甲府のプロ選手が和歌山に実際に来てくれているのですから、選手の中には、これからの日本代表となる逸材も何名かいます。そういった選手に、個々あたっていく、といった事も重要ですし、またスポーツ関係のスポンサー企業にも働きかけ、お互いに協力して協同事業を推進するなど、新たな取り組みも可能だと考えます。スポーツの切り口を観光振興に取り込む戦略は今後特に重要になってくると考えますが、これも商工観光労働部長にご答弁をお願いします。